いける日刊・たまたゆ新聞 の King
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いけるさいきんの日記事

King

今回も前節同様で仕事がらみ。一昨日は、大阪ライブハウスの重鎮ファンタンゴ、ストリップ劇場の老舗十三ミュージックがあり、そして、あの有名な漫才コンビ「紳助竜介」の竜介が輝かしい人生の晩年に男達を界隈の風俗店へ斡旋し飯を食いつないだ案内所のある阪急沿線のハブ空港十三駅西口に足を運んでいた。大阪には「ならでは」の街がたくさんあるけども、この十三も例外ではない。独特の「ならでは」が漂っている。そんな街だ。(そうそう、ネギ焼きも忘れてはいけない)

仕事相手との待ち合わせは午後3時。30分ほど早く着いた僕は性格的にイラチなところがあって電話に出ない相手の留守電に一本、到着している旨のメッセージをほうり込み、そこらへんをぶらぶらと散策することにした。駅を降りてすぐの四つ辻を右に折れてみる。そこには狭い路地にガチャガチャと安そうな酒場がズラリと並んでいて昼間にもかかわらずいい気分になったおっちゃんがゴロゴロ。不景気なんて何のその、生ビール、熱燗を片手に喧嘩でも始まったかと勘違いするくらいの大きな声でしゃべりながら皆一様に笑顔だ。とくに腹が減っていた訳でもなかったけど僕は目に入ったたい焼き屋でたい焼きをひとつ買い、歩き食いをすることにした。進めば進むほどディープ大阪。今や世界中から人があつまる通天閣なんかと比較するとある意味落ち着ける「ならでは」の大阪。悲しい色やね。

「ええやんけ!呑めや」
のび放題の髪にスエット姿のおっちゃんが言っている。

「だから、ええやんけ!呑めや」
のび放題の髪にスエット姿のおっちゃんが言っている。

「ええやんけ!呑めや」

「なぁ…、呑めや」
のび放題の髪にスエット姿の王さまが言っている。

ここは王さまの街。十三。行き交う人々は以前に比べると減ったという。制約と決まり事に消耗した世の中を笑い飛ばす王さまの声は響く。際限のない自由に対する嘆きの声が聞こえる。最後にジョーカーを引くのは誰なんだろうか。

2011年2月20日 13時29分 カテゴリー:「それでもドロップキック」

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