いける日刊・たまたゆ新聞 の 2010 の 4月
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2010年4月

いける日刊のバックナンバー

研究・必殺技

この世知辛い浮世を渡り歩くには、あらゆる情況に俊敏で正確な対応が要求される。特に、間違えてならないのは、上司や取引先との間合いや会議中におけるインファイト、アウトファイトの判断。これを誤ってしまうと大変不利な形勢を余儀なくされる。そんな時、会得しておきたい必殺技を模索したいと思う。

必殺技・テーブルをひっくり返す。

これは、テーマが壮大になりすぎて、一刻も早くズラかりたいのに何時間も続いてしまった会議なんかで積み上げた議論を意味不明な自論を尤もらしく熱弁することで全てをチャラにしてしまう決め技。意味不明度がキツイ程、難易度は高くなるが利き目はそれに比例する。

例えば、

近頃よく商品開発や販売促進の会議などでは、環境に配慮した「地球にやさしい」「エコロジー」をキーワードに、売れる商品、販路の拡充について議論が進行してしまうことがよくある。商品の製造工程のどの部分において「地球にやさしい」と言えるのか?また、その工程全てを「地球にやさしい」ものにすると過程して、はたしてどの部分に消費者は「やさしさ」を強く意識しているのか?といった内容のもので「地球にやさしい」というフレーズを耳にタコが出来るくらい聞きすぎて、会議に参加する大半がもう何が何やら分からない状態に陥ってしまった時。

この技を使う。
模範解答はこれだ。

ちょっとよろしいでしょうか?「地球にやさしい」というフレーズを皆さん口にされますが、お地球様が広くこの星の生命に対してやさしさを振る舞いになられたという事実は、歴史上に存在しないのではないのでしょうか?人間がお地球様をつくったのではなく、お地球様が人間をつくられたと言っても過言ではない。それにもかかわらず「地球にやさしい」と言えてしまえるのは、お地球様の環境の変化に対応してきた我々人間の過信なのではないのでしょうか?そんなことでは、お地球様に叱られます。そして、お地球様がこの星の生命に対して何かをお考えになられているとするならば、バランスだけだと考えます。仮に人間がお地球様のバランスシートを崩していたとします。その我々人間がお地球様をさて置いて、バランスのコントロールをしようとは、本末転倒も甚だしい。全くをもってエゴの塊としか言いようがない。そんなのは、まるでエゴロジーだ。

おい!君、そこの君、いったい何が可笑しいんだ?
お地球様は全てお見通しだぞ!

うっ、うん。失礼、取り乱しました。

き、貴様、まだ笑っているのか!無礼だぞ!お地球様に無礼だぞ!
天知る、地知る、我知る、汝知る。
貴様のその愚行をお見逃しになると思っているのかぁ~!
後漢時代を生き抜いた楊震の教えすら忘れたか!
おお~今、お地球様が、お地球様がお怒りになられたぞ!
お地球様~!お地球様~!
この不毛な議論と無知の罪をお許しください!
不毛な、不毛な議論を~!
(補足:自分自身の頭が薄毛の場合、怯むことなく自分の頭を抱えるのも効果的でしょう)
と、まぁ、ここまでくるとオピニヨン役として同席の頭の薄い部長あたりが割って入ってくれる。

よし、今日はこの辺にしておこうか。来週仕切り直しでどうだ?

カウント3、試合終了のゴングである。
しかし、リスクがまったくゼロと言うわけでもないので細心の注意は必要だ。まずは、口火をきるタイミングが最も重要で、会議が行き詰まり参加者の集中力が散漫になっている時を狙わないといけない。仮に会議の冒頭や中盤戦にこの技を繰り出したなら、その後の処遇に責任を持つことは出来ない。また、若い女子社員なんかは、新手の宗教家かもしれないなどと勘違いする可能性も否めない。それなりのカスタマイズが重要なポイントになってくるのでご注意を。そして最も重要なのは、共犯者が必要になるということだ。誰かに、ニヒルな笑いをお願いしよう。ひとり相撲では限界のあることをご承知願いたい。

追伸:
くだらない戯言へのお付き合いに感謝します。おやすみなさい。

2010年4月28日 23時41分 カテゴリー:「それでもドロップキック」

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