いける日刊・たまたゆ新聞 の 2012 の 2月
tamatayu_netをフォローしましょう
rss2.0

2012年2月

いける日刊のバックナンバー

午前10時のルール

人にはそれぞれ、自分だけのたわいもない決まり事みたいなものがあって、それには、ちょっとした思い込みがくっついていたりする。たとえば、「靴は、必ず左足からはく」だとか、「からだを洗うときは、誰がなんと言おうと股間からです!」のようなもので、ある種、儀式化したその行為は、その人に何かしらの落ち着きとリズムを与えている。だから、そのことについて、人にとやかく言われたくはないし、わざわざ人に言うようなことでもない。そっとしておくのが一番。そんなふうに思うしだいだ。

ということで、

僕の会社は、古くて小さいけれど自社ビルを持っていて、各部署がフロアごとにわかれてそれぞれの事務所として使っている。こういった使い方をしていると、面白いことにその部署(フロア)独自のローカルルールのようなものができてくる。その掟を破ろうものなら「冷たい視線攻撃」という制裁を受けなければならない。なんとなく部署間の距離を広げているような面倒くさ~い感じだ。そんな中、僕はこのビルの4階で仕事をしているんだけど、毎朝決まって10時になると3階から4階のトイレにやってきて用をたすといった、一見どうということはないその人独自の決まり事をやってのける部長がいる。もちろん4階に上がってきて排便をしているだけなので「誰に文句を言われる筋合いはない」。そういうことだけど、そのために僕は、わざわざ3階のトイレに入りに行くというイビツなことになっている。実は僕にも毎朝10時になると便意をもよおす習慣があるのだ。その結果、何が起こるのかというと、毎朝10時前に3階と4階をつなぐ階段では、部長から「おー。今日もええリズムやなぁ。この時間に出さんと調子が上がらんからのう~」なんて言葉をかけられ、「いやぁ、そうですよね~。僕もがんばって出してきますわ~」と、明後日を向いたような挨拶をかわすことが日課となる。そこでは意図して「なぜ、わざわざ4階のトイレで用をたすのか?」なんて野暮なことを聞くようなことはしない。それが礼儀だと思う。もちろん、これによる玉突き事故は知ったこっちゃない。

おまけ:
自転車で通勤している僕には、毎朝、必ず立ち寄るたばこ屋があって、そこで缶コーヒーとたばこを買うことが習慣になっている。そこでは、近所の寺から鐘の音がゴーン、ゴーンと聞こえてきて、「ありがたいなぁ」なんて思いをはせるのである。
…。先日、その音がプロパンガスのボンベを積み込んでいる音だと知ったときは、なんとも言えない朝であった。

2012年2月26日 16時11分 カテゴリー:「それでもドロップキック」

いけるトピックス日記事